新しい遺言制度が7/10より始まります。
平成30年7月、相続法が約40年ぶりに大幅に改正され、あわせて【法務局における遺言書の保管等に関する法律】が成立し、令和2年7月10日から保管制度が開始します。
手書きで作成する「自筆証書遺言」は、手軽に費用がかからずに作成することが出来たが、自宅で保管されることが多く、亡くなった際に、相続人に見つけてもらえなかったり、紛失、改ざん、隠蔽されたりするリスクが多かった。新制度を利用することで、このようなリスクを避けることができる。
また、従来は自筆証書遺言を開封する際には、家庭裁判所での検認作業が必要でしたが、この新たな制度を利用すると手続きは不要となります。
保管制度の注意点
公正証書遺言に比べて、容易に作成ができ、法務局(遺言書保管所)で保管されることで紛失、改ざん等の心配は無くなりますが、ただし、いくつか注意点があります。法務局では、遺言書の書き方についての相談には一切応じてくれません。また、保管制度を利用するには、遺言者本人が出向く必要があり、病気等で出向くことが出来ない場合でも代理申請は出来ず、本制度を利用することは出来ません。(介助のための付添人同伴は可)。※もちろん、従来通り自宅等で保管していただくことは可能です。
もっとも、この制度により公正証書遺言作成の必要性が無い訳ではありません。書き方を間違えてしまい、せっかく保管したにもかかわらず無効になってしまったり、遺言者が作成時に認知症であったと遺言が無効であると争いになるケース等もあります。その場合、公正証書の場合には、公証人が内容を確認し、本人の遺言能力を確認して作成されるので、リスクは自筆証書遺言より少ないと言えます。
遺言者の想いや、家族構成、財産構成にもよりますので、まずはお気軽にご相談ください。